過食克服

野菜の過食なら太らないからOK?見落としがちな野菜の食べ方

野菜の過食なら太らないと思って、大量に、頻繁に食べていることはありませんか?

確かに「野菜を食べることは健康のために良いこと」と誰もが思っているでしょう。

しかし、それはあくまで適量のお話です。

いくらでも食べて良いとか、食べれば食べるほど良い、ということではありません。

ましてや、過食することは、よかれと思っていても、かえって過食が止まらなくなることもあります。

野菜の過食は太らないかもしれませんが、過食が止まらなくなる可能性があります。

今回はそんな野菜過食についてお伝えします。

参照:ゼロカロリーなら過食しても安心?注意点と過食を抑える3つの工夫

野菜の過食は太らないよね?野菜だもん。

誰しも野菜を食べることは良い事と思っています。

でもそれってどうしてかわかりますか?

日本人の食事摂取基準では「野菜は360g食べましょう」と言われています。

その理由が厚生労働省による健康日本21に書かれています。

カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミンなどの摂取は、循環器疾患やがんの予防に効果的に働くと考えられているが、特定の成分を強化した食品に依存するのではなく、基本的には通常の食事として摂取することが望ましい。

これらの摂取量と食品摂取量との関連を分析すると、野菜の摂取が寄与する割合が高く、平成9年で成人の野菜の1日あたりの平均摂取量は292gであるが、前述の栄養素の適量摂取には、野菜350~400gの摂取が必要と推定されることから、平均350g以上を目標とする。

つまり疾病の予防のためにはサプリメントや栄養強化された食品ではなく、普段の食事で体に必要な栄養素を摂ることが良い。

そのためには野菜においては350gを目標に食べると良い、と言われているのです。

しかし、野菜を過食する心理は健康のためではないはずです。

  • 野菜ならカロリーが低いから安心
  • (例えば)もやしなら低価格で大量に買えるし食べられる
  • 野菜なら体に悪くはないし、どうせ体にはいいよね

でも過食したいと思う人が野菜過食をしても、満たされるのはせいぜい「胃」の中だけで、栄養的にも気持ち的にも満たされてはいないのです。

いくら食べても、欲しいはずの栄養がこなければ、「もっと食べたい」は収まらないし過食欲は止まりません。

「野菜過食をしていたら、結局最後はふつうにお菓子屋ジャンクフード、ごはんなど過食していた。」ということもあるのでは?

結果的に太ることもあります。

ではどうしたらいいのでしょうか。

参照:過食のカロリーが気になった時、悪化させない過食後の過ごし方2選

1.野菜の過食は太らないとしても、いくらでも食べれば良いものではない

野菜の過食は例え太らないとしても、食べれば食べるほど体によいものでもありません。

なんでも食べすぎは体にとって「害」になることがあります。

野菜の過食により食物繊維をとりすぎて便秘になることもあります。

しかもすでに便秘の人が、不溶性食物繊維をたくさん食べるのはさらに詰まりの原因に。

よく噛まないで食べれば消化が悪く胃腸に負担になる。

食べても食べても、今欲しい栄養が入ってもないと、いつもでも「満足」できない。

糖質とたんぱく質が足りないのに、野菜過食をしてばかりだと、栄養素に偏りがでます。

栄養の偏りは、ホルモンバランスの崩れにも繋がります。

そうすると、イライラしがちになったり、不安感もつよくなることも。

それがまた過食をよび、繰り返すことにつながってしまうのです。

脂質があることで吸収がよくなるビタミンもあります。

油をぬくことが栄養不足につながることも。

そもそも、人の細胞には脂質が不可欠です。

野菜ばかりたべて、お肌がカサカサになっていませんか?

良質な油をとることで改善されるかもしれません。

参照:白米が怖いあなたへ、3ステップの解決策

2.過食癖がある人の野菜の食べ方

過食にしないように、量を決めて、よく噛んで食べる。

野菜だからいっぱい食べよう、安心だからいっぱい食べようという気持ちを少し抑えてみましょう。

ごはんやお肉、豆製品なども一緒に食べてみましょう。

さらにオリーブオイル、えごま油、アマニ油など良質といわれる油を野菜と一緒に食べることでビタミンAなど脂溶性ビタミンの吸収をよくします。

参照:痩せたいのに食べ過ぎてしまうなら試してほしい4つの方法

3.ひとつの野菜ばかり食べ過ぎない

野菜だからと言って同じものを毎日大量に食べればよいわけではありません。

栄養面を考えると、ビタミンは主に13種類あり、それぞれ重要な役割を果たしています。

ビタミンCや、緑黄色野菜に多いβ‐カロテンには発ガン物質が体内で作られるのを阻止する働きがあります。

また、ビタミンA、C、E、ポリフェノールなどの栄養素には、体内の細胞や組織を酸化させ生活習慣病の原因となる「活性酸素」の発生を抑える作用があります。

これらのビタミンがどの野菜にもまんべんなく入っているわけではありません。

野菜によって偏りがありますよね。

そのため、特定の野菜ばかり食べていても栄養不足になることがあり得ます。

また、とりすぎが毒になることも。

代表的なものにはほうれん草のシュウ酸があります。

シュウ酸はカルシウムイオンと結合する性質があるため、大量に摂取することで体内のカルシウムの吸収を妨げたり、腎臓などにシュウ酸カルシウム結石が出来るなどの原因となりことがあります。

普段たべる量は問題ありませんが、茹でてあく抜きする、スムージーに混ぜるなど生で摂りすぎないようにしましょう。

バランスよく食べようというは食事についてよく聞く言葉ですが、「野菜」だけにおいても種類に偏りがないように食べることが大事です

まとめ

野菜だけを過食することは、太ることはないかもしれませんが、

胃だけふくらんで必要なエネルギーや栄養素は不足することによって、むしろ過食欲がわき、結局過食がとまらなくなる、

野菜の偏りある食べ方で体にとって害になってしまうことがある

ということを覚えておいてください。

野菜の栄養素は、どうせならきれいに健康になるための味方にしましょうね。

〈引用文献〉厚生労働省 健康日本21 栄養・食生活 (2022.4.14 閲覧)

https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b1.html#A13

〈引用文献〉 農林水産省 みんなの食育 野菜・果物をとろう!(2022.4.14 閲覧)

https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/minna_navi/topics/topics2_04.html

ABOUT ME
皆川 ゆり
岩手県出身/管理栄養士 【心をゆるめる栄養カウンセラー】 痩せ願望や自己否定によるダイエットからリバウンド、摂食障害、ストレス食いに悩む方が、ダイエットに縛られた心から解放されて、自分の魅力を生かせるようになる食事とマインドをお伝えしています。