人と食事することが苦痛と感じることはありませんか?
食事は単に生きるために必要な栄養素を摂るためではなく、友人とランチを食べたり、家族と食卓を囲みおいしいものを食べながら、コミュニケーションを取ったり、息抜きやリラックスする時間といった意味も大きいものです。
しかし、時にその食事環境が苦痛に感じてしまうことがあります。
病気で食事制限をしていると、家族と同じものが食べられなくて苦痛に感じる、ダイエットをしているから家族の食べるものは見たくない、摂食障害だから食べる量を見られたくない、人によって苦痛に感じる理由は様々です。
しかし、その中でも「会食恐怖症」という症状が存在することをご存じでしょうか。
単に何らかのストレスを感じるから、人と食事することが苦痛と感じるわけではなく、過去のトラウマなど心理的な問題を抱えていることがあります。
もしあなたが「会食恐怖症」かもしれないと感じたら、まずは食事が苦痛と感じる自分を責めることなく認めて、正しい手順で練習したり、ポジティブな考え方を身に着けることで不安が解消されていきます。
今回は「会食恐怖症」についてと、その改善策について4つご紹介します。
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目次
人と食事することが苦痛なのは、原因があった
人と食事することが苦痛と感じ、人前で食事すると強い恐怖や不安で、次のような症状が出ることはありませんか。
- 吐き気
- めまい
- 胃痛
- 動悸(どうき)
- 嚥下障害(食べ物が飲み込めない)
- 口の乾き
- 発汗
- 顔面蒼白
- 体(主に首や手足)の震え
- 呑気(空気を飲み込んでお腹が張る)
- 緘黙(黙り込んでしまう)
会食恐怖症とは、誰かとご飯を食べること(会食行為)に対して強い不安を感じ、次第にその不安を避けようとすることで、友人関係、恋愛、仕事などで何らかの支障が出てしまい、「本来あるべき健全な社会生活が脅かされている」という状態が、半年以上続いている場合を指します。社交不安障害という精神疾患の症例の一つとされています。
会食恐怖症のパターンは、次のような種類に分けて考えることができます。
- 「周りに合わせなきゃタイプ(残さず食べなきゃいけない)」
- 「吐いたらどうしようタイプ(食べて気持ち悪くなるのが怖い)」
- 「見られるのが嫌だタイプ(症状を周りに見られたら嫌だ)」
会食恐怖症は遺伝的要因が原因になることもあるそうですが、多くは後天的理由で起こるようです。
会食恐怖症の1番のきっかけとなった事として挙げられるものは
- 完食指導や周りからの強要
- 体調不良から
- 自分や周りの嘔吐に関する体験
- 周囲からの注目を浴びたことに関する体験
などがあります。
「食べることを強要される環境」が要因として挙げられることが多く、学校給食や家の食卓、クラブ活動での食事トレーニング(強い体を作るために大量に食べること)などで食事を強要されるケースがあります。
例えば、拒食症や過食症で、給食を食べることが怖かったけれど残さず食べるように強要された、という経験を持っていたら、単に太ることが怖いからという理由だけでなく、会食恐怖症のために「人と食事することが苦痛」となっている可能性もあります。
ではこの会食恐怖症を克服したいと思った時はどんなことに気を付けたらよいのか、今回は4つの改善策をお伝えします。
参照:人付き合いとダイエットの両立は6つのポイントを押さえれば楽になる!
1. 人と食事することが苦痛なら、正しい手順で練習してみよう
人と食事をすることが苦痛である会食恐怖症を克服するには、実際に会食の場をこなす練習をしてみましょう。
そのとき大切なのは無理やり会食に慣れることではなく、あなたの中にある誤った前提(考え方)を改めるための行動です。
例えば、「残してしまったらどうしよう」と考えて不安になってしまう場合は、その考えがさらに自分にプレッシャーをかけてしまい、緊張して食べられなくなります。
「残しても別にいいや」と思えるように、“人前で残す練習”をしてみましょう。
練習のステップとしては
食べられなくてもいい・残してもいいと自分を許す→会食に行く→無理なく食べる、食べられない分は残す→無理しなかった自分を褒める、その場に行けたことを褒める
というように、できたことをまずは自分で褒めていくようにしてみましょう。
もし、食事を残す事自体が不安であれば、まずは一人で外食をして残してみる、ということから始めてみましょう。
参照:食べたいものがわからない、ダイエット中心の思考に辛くなった時の4つのヒント
2. ポジティブな考えを身につける
さらに大切なのは、出来事をポジティブに考えるように身につけることです。
あなたが苦手な会食に挑戦したとき、緊張して気持ち悪くなってしまったとします。
その際に「気持ち悪くなったけど、苦手な会食の練習をできて良かった!」とするか、「会食に行ったけど、気持ち悪くなって最悪だ、やっぱり無理なんだ私にはできない。」とするのか。
考え方で気持ちや今後のモチベーションも大きく変わります。
もしあなたが今のつらさを克服していきたい、と思うのであれば前者の「良かった!」という気持ちをもってみましょう。
この気持ちの持ち方も練習のひとつです。
3. 日常生活を整える
簡単に言うと、「会食時以外の日常生活をリラックスして、スッキリとした気分で過ごせているか」ということです。
これができているかどうかで、会食恐怖症の症状の出やすさが変わるようです。
普段の意識や習慣を改めることも大切なポイントです。
4.食事の楽しさを優先してみる
会食時に「どれくらい食べられるか?」「不安なく食べられるか?」などと考えるのではなく、まずは会話やその空間を楽しむことを優先してみましょう。
人と食事することの目的は、単に「おいしいご飯を全部残さず食べること!」ではありませんよね。
会話などコミュニケーションを楽しみながらも、食事については最初から残すつもりで食事したり、会食への不安やうまく食べられないことを受け入れ、別のことに注意を向けることが大切です。
なんとか克服しよう!と思うほど会食のことを考えてしまい、不安になりがちです。
「不安でも良いや」などと、不安を感じていることを受け入れる気持ちを持ち、その場を楽しむことを優先してみましょう。
まとめ
会食恐怖症にもさまざまなパターンがありますが、食事を強要されたり、体調不良がきっかけとなって生まれた、「食べなきゃいけない」「気持ち悪くなるのが怖い」といった恐怖心が、悪循環を招いてしまうこともあるようです。
食事を残しても自分を責めないこと、「不安でも大丈夫、食べられなくても大丈夫」という気持ちをもち、まずは人とのコミュニケーションやその場を楽しむことを大切にしてみましょう。
もしあなたが、会食は苦痛だけれど友人や家族と食事を楽しみたいという気持ちがあったら、今回ご紹介した改善策を試してみてくださいね。