「吐かない過食ってどこから?」
「食べ過ぎ、ドカ食い、過食ってどう違うの?」
「どこから病気なの??」
ただの食べ過ぎと言われて呆れられたり、努力が足りないからとか、我慢ができないからだとか言われてしまうこともある過食。
人生さえも振り回されるこの過食ですが、つらくてどうしようもない・消えてしまいたいと思ってしまう人もいれば、生理前やストレスが溜まっている時だけの一時的なもので済む人もいます。
私は一時的なの?
過食症なの?
結論は究極、病気と思ってしまえば病気になってしまうし、病気ではないと思い前向きになれるなら病気ではない。
診断基準があるものの、つらさというものは感じ方が人それぞれなので「これくらい食べたら過食症だ」という明確な量の決まりはありません。
そのうえで、症状パターンと解決するためのポイントをご紹介します。
目次
吐かない過食ってどこから?定義と症状パターンとは
吐かない過食を含め、摂食障害における過食症にも症状によって種類があります。
体型や体重に強いこだわりがあり、過食嘔吐や下剤乱用など帳消し行為・代償行為が伴う場合は神経性過食症/神経性大食症、代償行為が伴わない場合は過食性障害(むちゃぐい障害)といわれています。
むちゃ食い障害の定義とは
医学上は主にアメリカ精神医学会とよばれるものの、DSM-5という診断基準を目安にしていますが、様々な病態があるため、必ずこれに当てはまらないといけないというわけではありません。
その診断基準によるとむちゃ食い障害とは
A.以下のような衝動的な過食行為がみられる
1.普通の食事以外に、一般的にみて明らかに多い量を食べる
2.過食の衝動は空腹にかかわらず、自分で食べるスピードや量や内容をコントロールできない。
B.過食には、以下の特徴のうち3つがみられる
1.異常に速いスピードで食べる
2.お腹が苦しくなっても止められない
3.空腹を感じていないのに大量に食べる
4.過食している自分を見られたくなくて人目を避けて食べる
5.食べた後に自分を責めたり、うつ状態におちいる
C.過食の行為が明らかに強い苦痛を与えている
D.過食の行為は3カ月以上の期間に平均して週1回以上ある
E.過食は神経性過食症(肥満恐怖の強い過食症)のような排出行為(過食によって太ることのないよう嘔吐、下剤乱用、過剰な運動、絶食などを行う)をともなわない。また、神経症やせ症(拒食症)の反動によってのみおこっているわけではない。
定義としては、以上のようになっています。
過去の過食症状について
私の場合、拒食の反動からの過食+絶食、下剤乱用、過活動
それが体重が増えるにつれて、痩せたいけれど頑張る気力もない、下剤乱用もやめた過食(むちゃ食いの症状)に移行していまいした。
過食で食費がつらくなってきてアルバイトをはじめ、稼いだお金は過食に消える。
学校は遅刻したり、休みがち、アルバイトにも遅刻したり、今までの真面目にきちっとしてきた自分には考えられないような生活になっていました。
買ったものを、吐くわけでもないのにお店のトイレで隠れて食べたり、歩きながら買ったパン12個を食べきってしまうこともありました。
早炊きした明らかに硬い玄米を詰め込んだり、ただ小麦粉に水を入れて焼いてホットケーキ状にしたものを食べてみたり。
そして過食して散らかしたまま寝落ち。
それくらい無心で食べていた日々もあります。
(当時の私は一応調理はしたようですが、素材をそのまま過食してしまう方もいます)
日常生活や経済的に支障が出てきてしまうのも診断ポイントになるようです。
帳消し行為はないものの、過食で胃腸も辛くて絶食してみたり、結局反動でまた過食といったことも繰り返していました。
私の場合、診断を受けたのは最初の「拒食症」のときと、この過食のころの「鬱」。
摂食障害に強い、精神科の病院にも行ってみましたが明確に「○○症だ」と診断されたかは覚えていません。(摂食障害で一括りにされていたかも)
診断基準、定義にピッタリ当てはまるわけではないこともあるかもしれません。
明確に当てはまらなくてもつらいものはつらい。
「病気と言えないなら、ただの甘えなのか、努力不足なのか…」そう悩む方も多いのではないでしょうか。
でもそんなことはありません。
過食症の状態であるか、食べ過ぎで済ませられるか違いは?
過食症の過食と、食べ過ぎで済ませられる人の違いを挙げてみます。
- おいしく食べられている
- 味わえている
- その場を楽しんでいる
- 食べ過ぎたことを引きずらない
- 気にしない
- 忘れる
- 後悔も引きずらない
- おいしいと思うけれど不安になる
- 味わえないで詰め込む
- その場が憂鬱
- 食べ過ぎたことを異常に後悔する
- 食べ過ぎた自分を責める
- 自分がどうでもよくなってしまう
- その後の体重が気になる
- 後悔し続ける
「食べ過ぎ」と過食の違いを「後悔するかどうか」という人もいますが、はっきり言って、食べ過ぎれば誰だって後悔くらいします。
違いは「いつまでも引きずって、日常に影響を及ぼすかどうか」と考えます。
気持ちも行動も引きずっていることありませんか?
一度食べすぎてしまうと、そのまま次の日も食べ過ぎてしまったり、常に体重がどのくらい変わったか気になったり、食べ過ぎた分をなんとか消費しようとする行動が生活に支障をきたしていたり。
「ちょっと食べすぎたな」
「ドカ食いしちゃったな」
そう思ったとしても「切り替えが早い、気にしない」
そんな人は、例え食べすぎをリセットする方法を次の日からやったとしても、日常を楽しみながらできるのです。
吐かない過食はどのくらい食べたら病気なの?
「たくさん食べてしまった」その量がいったいどれくらいだったら過食症になるの?
その量に基準はありません。
おにぎり2つでも「いつもより食べ過ぎた!過食してしまった」と思う人もいれば、大量の菓子パンを食べて「過食がつらい」と思う人もいる。
反対に、大量のお菓子やスイーツを食べても「おいしかった!チートデイだからいいよね!」と、明るい気持ちの人もいる。
病気かどうかは単に、食べる量や頻度で決められるものではないのです。
自分がつらいと思ったらつらいもの。
逆に自分がこれくらい普通と思えている人にとっては、普通なのです。
この違いを変えるにはどうしたらいいか?
もちろん、単に過食がなくなればいいわけでもない。
楽しく食べられるようになればいいわけではない。
ドカ食い、過食してしまう自分に開き直ればいいものではない。
- 食べたかった自分を認めてあげる。
- 食べたい自分を否定しない。
- その時の自分を許してあげる。
おそらくただの食べ過ぎで済んでいる人は、食べたくて食べている自分を許して認めているし、執拗に責めることはありません。
気持ちが沈んでしまう人は、すべて責めているのではないでしょうか。
参照:非嘔吐過食で太ることが辛いときに不安を解消するための5つのポイント
吐かない過食、繰り返すドカ食い、どんどん太ってしまう自分を変えるには
吐かない過食や繰り返すドカ食いでどんどん太っていくのは本当につらいこと。
一見元気に見えるので、この辛さを人に話すことも難しいし、理解してもらえないかもしれないと諦めてしまうこともあります。
とにかく今辛くて現状を少しでも変えたいあなたが今すぐできる事として3つのことを挙げます。
・責めない
・認める
・許す
この3つがキーポイントです。
それぞれ解説していきます。
自分を責めない
異常なほどの過食衝動、やめられない過食行為があって
「なんで食べてしまったんだ」
「どうしてやめられないんだ」
「だからダメなんだ」
と自分を責めるのはやめましょう。
責めても自分にとって良いことは何もありません。
自分の気持ちを認める
「もうこれ以上食べたくない」
「過食なんてしたくない」
そう思っているのに過食してしまうこともあります。
そんなあなたはとにかく食べたい気持ちを認めてあげましょう。
今あなたは食べることで自分のこころの穴を埋めたり、嫌いな自分を責めたいのです。
どんな理由であれ食べたいという衝動を認めてあげてください。
自分を許す
「過食がやめられない」
「やめようとがんばったのにまた過食してしまった」
「食べないと決めたのに食べてしまった」
悲しい、悔しいかもしれませんが、どんな自分も許してください。
食べてもいいよ
過食してもいいよ
がんばれなくてもいいよ
今、やめられなくてもいいよ
そんな風に自分に優しく声をかけてあげてください。
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まとめ
「吐かない過食ってどこから?」とSNSで他人の食べる量と比べてみたり、「こんなの私の意思が弱いからだ。もっとちゃんとダイエットができれば変われるんだ。」そう思ってまた痩せるための頑張りをしてみたりしているかもしれません。
しかし、「過食症」になってしまう状態は人それぞれ違いますし、正しいダイエットをすれば治るものでもありません。
いくら痩せても「根本」のメンタル面や生き方のクセなどが変わらなければ、またどこかでつまずきます。
一人で悩んで辛いときは、その気持ちに蓋をせず、信頼できる人に相談したり、専門の人に聞いてみましょう。
そして、今すぐできることとしてご紹介した3つのポイントも心にとめてみて下さいね。