寒い時期に過食したくなってしまうことはありませんか?
冬になると「体がだるい」「いつも以上に眠い」「いつもより過食がち」と感じる場合、それは冬季うつかもしれません。
うつ病にはさまざまな種類がありますが、冬の期間のみに症状が出る「冬季うつ」というものがあります。
冬にだけ疲労感や眠気があったり、過食の傾向が強くなり、それが生活にも支障をきたすようであれば、気が付かないうちに冬季うつになっている可能性があります。
しかし、この冬季鬱は普段の生活習慣を気を付けることで予防・改善ができます。
今回は、「冬季うつかも?」と感じるあなたが今すぐできる生活習慣における改善策についてお伝えしていきます。
▼体重と食事の不安や焦りから抜け出し、過食から卒業するための情報を発信中▼
>>努力・ストレス・リバウンドばかりのダイエットから卒業!自分を大好きになりながら「心も体も綺麗になるための5つのテキスト」を無料でプレゼント!詳しくはこちら<<
目次
寒い時期に過食したくなる原因は冬季うつ?
冬季うつは、季節性うつ病(季節性情動障害、季節性気分障害、季節性感情障害ともいう)の一種です。
名前の通り、冬季(秋から春にかけて)にのみうつ病のような症状が出る病ですが、一般的なうつ病の症状(気分の落ち込みや疲れやすいなど)だけではなく、過眠や過食という、うつ病とは正反対の症状も現れるため、うつとは自覚されにくいようです。
うつ病とは違う、冬季うつの症状
うつ病と同様、冬季うつにも「無気力感に襲われる」「自己否定的になる」などのうつ症状が出ます。
しかし、食欲と睡眠に関しては、一般的なうつ病とは正反対の症状がでることがあります。
冬季うつ | うつ病 | |
食欲 | 過食になる 特に甘い物を食べたくなる | 食欲不振に陥る |
睡眠 | 睡眠時間が長くなる(過眠) 10時間を越えても眠くなることも | 不眠となり、睡眠時間が短くなる |
冬季うつは、一度発症すると、毎年繰り返すと言われています。
毎年、冬以外の季節は元気なのに、冬になるとなぜか気が重くなる、だるくなるという場合は、冬季うつの可能性があります。
冬季うつを発症する主な原因は、日照時間の短さと量の減少
冬になると日が出ている時間、つまり日照時間が減少し、体内でさまざまな変化を引き起こします。
その変化こそが冬季うつを発症させる原因となるのです。
日照時間が短くなると光の刺激が減り、脳内の神経伝達物質であるセロトニンが減少します。
それが原因で、脳の活動が低下してしまいます。
目に入る光の量が減ることで、睡眠に深く関わるホルモンであるメラトニンの分泌のタイミングがずれたり、分泌量が乱れ体内時計が狂うのです。
また、北向きなど光が入りにくい部屋での生活による日照量の減少や生活リズムの乱れ、過度のダイエットによる食生活の偏りなども、上記に結びつく要因となります。
実はヨーロッパでは、冬季うつは一般的な病としてよく知られています。
ヨーロッパは緯度が高い国が多く、冬場の日照時間が極端に短い場合が多いのです。
そのため多くの人々が冬季うつに悩まされており、治療に有効とされている光治療を受けられる場所が、公共施設などに備えられているそうです。
日本の冬場は、夏場と比べて日照時間が短く、光の刺激が減りがち
たとえば、冬至(12月)は、夏至(6月)と比べて、5時間ほど日照時間が短いです。
こうした日照時間の短さも、セロトニン不足を招きます。
冬特有のうつ症状である「冬季うつ」の原因は、日照時間の短さにあると考えられています。
実は、このセロトニン不足は、食欲にも関係があります。
憂鬱な気分になると、つい食べすぎてしまうという経験がある方もいるのではないでしょうか。
セロトニンの分泌は食べる行動をおさえることにつながっているのです。
日照時間が減ると、セロトニンの量が減るので食べる行動を取りやすくなる可能性があるのです。
なぜ冬は過食になりやすいのか、理解できたでしょうか。
実は日常生活を少し意識するだけで、冬季うつは予防・改善ができます。
1.寒い時期の過食、まずは生活リズムを整える
寒い時期に過食してしまうのは冬季うつが原因であり、日照時間の減少が関係することがわかりました。
まずは毎日できるだけ同じ時間に起きて朝日を浴び、生活リズムや体内時計を整えましょう。
どうしても起きることが難しい場合は、部屋の照明をつけ明るくし、明かりを浴びるだけでもOKです。
2.日光に当たるように心がける
普段、デスクワークなど室内で過ごすことが多い、車や電車などで移動することが多い場合は日光に当たる時間が少なくなってしまいます。
早起きをして日照時間を増やすなど、日光に当たる生活を心がけましょう。
忙しい場合は、休憩時間に窓を開けたり外に出るなどして日光を浴びてみましょう。
日差しを感じるだけでも心が穏やかになります。
3.食生活に気をつける
冬季うつをはじめ、うつ病の原因とされているセロトニン不足。
セロトニンは、食事から摂取する必須アミノ酸の一種、トリプトファンから生成されているため、食生活でセロトニン不足を改善することができます。
日々の食事のなかで以下の栄養素に気を付けてみましょう。
ただし、食事の基本はバランスよく摂取することです。
たんぱく質 | 肉や魚、豆など。 たんぱく質を多く含む食材には、トリプトファンが含まれています。 |
炭水化物 | 米やそば、いも類など。 トリプトファンの吸収を手助けします。 |
ビタミンB6 | バナナやさつまいも、青魚など。 トリプトファンの吸収に必須です。 |
EPA、DHA | 青魚に含まれており、抗うつ効果があるとされています。 |
4.適度な運動
適度な運動、特に有酸素運動も冬季うつの改善に役立ちます。
有酸素運動は、幸福感や快感をもたらすエンドルフィンを脳内に分泌させてくれます。
屋外で運動をすれば気分転換やストレス解消にもなり、日照量も増えるなど一石二鳥です。
しかし、普段運動していないところから運動習慣をつけていくのは最初は億劫に感じてしまいます。
まずは外にでて日差しをあびて深呼吸、そこから散歩をするなどストレスを感じない程度の運動から始めてみましょう。
5.気分転換で心を温かく
外が寒いだけで憂うつになることもありますよね。
そんな時に「寒いけれど、私の心は温かく火がともっているよ」と実際に温かい胸に手を当て、自分自身の温かさを感じてみましょう。
意識的にポジティブ思考にする訓練は、カウンセリングでも使われる手法です。
言葉で気持ちを明るくすることができます。
またちょっとした気分転換できるものを用意しておきましょう。
例えば大好きなアーティストの写真を壁に貼ったり、スマホの待ち受け画面にする。
スマホの中にもたくさんお気に入りの写真をいれたり、すぐ聞けるように大好きな曲をプレイリストにして入れておく。
アーティストに限らず好きな漫画のキャラクターや俳優でもOK!
自分が大好きでテンションの上がるものを用意しておきましょう。
ちょっと憂うつな気分から、気持ちが上向きになると寒さも和らぐ気分になります。
冬に限らず、気分転換は、心の健康の強い味方になるものです。
まとめ
冬季うつ病は女性に多く、男性の4倍ともいわれています。
特徴は10月から3月頃の冬に起こる過食と過眠でお菓子や炭水化物を過食する傾向があるそうです。
もし今までよりなんだか急に過食が多くなったと感じたら、あなたも冬季うつかもしれません。
今回、普段の生活のなかでできる冬季うつ改善をご紹介しましたが、試してみたり、試してみようと思っても「いくら寝ても眠くて起きられない」「仕事を休んでしまう」など、日常生活に支障が出始めるなら、早めに医師に相談してみましょう。